制作実績
株式会社コルク 漫画家カレンダー2021
クリエイターエージェンシーとともに、作家の世界観を拡張するカレンダーづくり
- 想い
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「株式会社コルク」は「物語の力で、一人一人の世界を変える」をミッションにしたクリエイターエージェンシーです。
作品を世界中に届け、クリエイターとファンが直接結びつき熱狂を生み出す場をつくることで、「漫画家や作家のエージェント」という概念を超えて、インターネット時代のエンターテイメントのモデル構築に挑戦しています。そして、「作品の世界観を拡張して、ファンがその世界でもっと楽しめる空間と時間を広げる」ことを目的として、2020年末に、いろいろな作家のカレンダーを作成されました。
クラウドボックスでは、その中で、『ドラゴン桜』『インベスターZ』などで知られる三田紀房さん、『君たちはどう生きるか』の大ヒットが有名な羽賀翔一さん、小説『名称未設定ファイル』『止まりだしたら走らない』など独特な世界観の作家品田遊さんのカレンダーデザインを制作させていただきました。
- カタチ
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作家・作品を含めて、「タレント」を扱ったカレンダーの多くは、先にカレンダーのテンプレートがあって、そこに「どんな写真をはめるか」「どのイラストを使うのか」といった作業で作られていきます。それはそれで、毎日そのタレントの世界に触れていたいファンからすれば嬉しいことには違いありません。
けれど、コルクは、「物語の力で一人一人の世界を変える」と言っている会社です。
そしてどの作家さんも、その作品世界の熱狂的なファンを持つ方たちです。
そのファンの期待を裏切らず、作家の「世界観」を表現したカレンダーを作るにはどうすればいいのか、その作品を読むところから始め、何度も打ち合わせを重ねました。たとえば三田紀房さんであれば、特有の「セリフの強さ」を全面に出すために、カレンダーの表紙は絵よりも言葉をフィーチャーし、黒地にゴールドという、ガツンとくる言葉に似合うデザインを選びました。
羽賀さんは『昼間のパパは光ってる』という建築業界を題材にしたマンガをモチーフにすることは決まっていたので、「建築現場で貼ってもらえて、現場の人がそのカレンダーを見て元気になれるような」「2021年が終わっても、まだその現場に貼っておきたいと思ってもらえるような」をコンセプトに形状や表現を考えていきました。
品田さんは、その特有の空気を表現するため、どちらから開いても表紙になるような、文庫本サイズの、あえて「違和感のあるデザイン」に落とし込みました。どれも、カレンダーの形状、日付の入れ方など、全てをゼロから設計デザインしたので、通常のカレンダーデザインに比べると、かなり膨大な時間がかかったと思います。ある意味「非効率的」な作業だったかもしれません。でも、「世界をつくる効率的な方法」なんてあるわけがないのと同じように、世界観を伝えるのにも、近道なんかないのだと思います。
- Date
- 2020/11
- Client
- 株式会社コルク
- Art Director
- 徳永健 園田理明
- Designer
- 園田理明
- 作家
- 三田紀房
- 羽賀翔一
- 品田遊